2009年03月17日

本気帰り

中央線に乗って東京方面から辺境・西多摩まで帰らなければならない人々にとって、夜の混み合った電車は大いなる苦痛だ。僕もそこに含まれる。
誰もが乗りたがる「通勤快速」「特別快速」へと果敢に乗り込み、満員電車での押し合いへし合いに小一時間も耐えて帰ることを「本気帰り」と命名することにした。
逆に、三鷹止まりの総武線各駅停車にのんべんだらりと身体を預け、三鷹から先は出たとこ勝負なんとかなるさあと開き直ってしまう帰り方を「呑気帰り」とする。中央線に比べれば、感動的なまでに総武線は空いているのだ。

僕はほとんど呑気帰りである。首都圏の通勤電車はもはや百鬼夜行。逢魔が刻であり人外の地であり、命がいくつあっても足りない。
家に帰るときくらい人間の姿をしたままでいたい。
しかし今日は駅に着くとちょうど「通勤快速・河口湖行き」がホームに入ってきたから、思い切って乗ってしまった。本気帰りである。
地獄めぐりのような数十分を過ぎて、なんとか命あるまま自宅の最寄り駅にたどり着いた。

全身の凝りをほぐすような気分で駅前の歩道を歩いていた。
すると、話しながら歩く一人の男の声が聞えてきた。
話し相手がそこにいるかのような調子なのだが、男の横を連れ立って歩く者は誰もおらず、携帯電話で話しているわけでもない。
近ごろはそういう状態に陥ってしまった人を、ますますよく見かけるようになった気がする。
男はうつむき加減で、その声は過ちを犯した人を説得するときのような、力のこもった低い声だった。

「国会中継っていうのは、昼にやっても意味ないらしいんだよ。
視聴率の問題で、夜のゴールデンタイムに放送した方がOLとか、働いてる人たちは、見やすいわけだからさ・・・」
タグ:JR中央線
posted by Kとかいう人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 連日遅くまでの作業が続く。 PCと向き合っている事にまったくストレスのない人間なので 以前ならば修羅場プロジェクトもむしろ歓迎だった。 困難な状況をうまくやっつけていくのがちょっと楽しかったりで。 ..
Weblog: ボボ日
Tracked: 2009-03-17 10:32

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